カイロウドウケツ 深海生物が慣用句の語源にも?特徴は?

カイロウドウケツってどんな生物?
カイロウドウケツは5~20㎝の大きさで
円筒の形をしたカイメン(海綿)の仲間です。
深海であれば広く生息しているようで、
日本でも駿河湾や相模湾で見ることだできるようです。
海底にくっついて生活をしているため
流れてきたプランクトンを食べています。
カイメンとは原始的な多細胞生物で、
肌にやさしく汚れが落ちやすいとして
海綿スポンジなどに利用されています。
しかし、どうやらこのカイロウドウケツは
骨格がガラス質でできていることから
ガラス海綿と呼ばれています。
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カイロウドウケツの特徴は?
体色はきれいな白。
細い繊維が効率よく編みこまれることで
独特な網目構造の円筒を形作っています。
その保存の容易さや見た目の美しさから
ヴィーナスの花かごとも呼ばれ、
中近世には3000ポンド以上の値段で取引されていたそうです。
また、この網目構造の強度と
材料のコストパフォーマンスから
スイスでこの生物のつくりに習った建築物が作られました。
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慣用句の語源に?
カイロウドウケツというと
『偕老同穴の誓い』という慣用句を
思い浮かべる方もいらっしゃると思います。
それもそのはず偕老同穴と言う
言葉が生物の由来なのですから。
偕老同穴の誓い
と言うことわざの意味は共に老い、
同じ墓に入るという夫婦の結束と
愛の深さをあらわす慣用句ですが、
カイロウドウケツはただの海綿です。
どうしてそんな名前がついたのでしょうか?
実はこのカイロウドウケツは
『ドウケツエビ』と呼ばれる
透明なエビの家になります。
ドウケツエビはなぜか偕老同穴をすみかにし、
なぜか夫婦のつがいで住み、
しかも1海綿に1ペアだけが暮らします。
まさに『偕老同穴の誓い』と呼ぶにふさわしい生き方です。
ドウケツエビは小さいうちに住み着きますが、
大きくなると死ぬまで出られなくなってしまいます。
しかし、外敵から身を守れ、
中に入ってくるプランクトンも
食べることができるためむしろ好都合なのだそうです。
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